Author Archives: 平野秀幸

こんにちは、平野です。

9月10日(土)に長野市で開催された、日本ディレクション協会長野支部主催のセミナー「みんなのためのUXデザイン 2016秋の陣」に登壇してきました。
日本ディレクション協会長野支部が発足して始めての主催セミナーでもあり、長野エリアで初めてのUX系のイベントということで、開催地の長野市だけでなく、松本市や飯田市など長野県の広いエリアから100名近い方に参加いただきました。

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事の発端は7月に名古屋で開催されたHCD-Net主催の「カスタマージャーニーマップ・エクササイズ」というセミナーの懇親会の場でした。
「UX・HCD・サービスデザイン などについて学んだり、実践したことを共有するコミュニティ」として僕が運営に携わっている「UX 名古屋」と想い同じく今年立ち上がった「UX Shinshu」の運営メンバーが名古屋で開催されたセミナーに参加をされていました。今年立ち上がったばかりで、活動をどう軌道に乗せるか悩んでいるというお話もあり、その場にいたネットイヤーグループの坂本さんと私とで(懇親会の場でのお酒の後押しもあり)「なにかイベントをやろう!」と、その場で長野行きを決めました。

長野エリアで始めてのUX系のイベントということもあり、主催を日本ディレクション協会として計画を進めていただくこと、わずか2カ月弱。Web制作に携わっているディレクター、デザイナーの方、発注者の方など100名近くの方に参加いただけたことに、驚きと感謝を隠しきれませんでした。

本編は、デスクトップワークスの田口からの、「ユーザー視点」ではなく「ユーザー」そのものに成りきって考える発想法を日常の中でどう身に付けるか、クセ付けるかというお話からはじまりました。始めは緊張していた会場だったのですが、田口さんの分かりやすい例題から、「UX(UXデザイン)」そのものに対する捉え方、考え方がほぐれていく様が、参加者のみなさんの反応から見てとれました。
それを受ける形での僕のセッションでは、どのようにUXプロセスやUXのフレームワーク、手法をプロジェクトに取り入れてきたのか、どんな目的でそのような手法を取り入れるようになったのか、などを事例をもってお話させていただきました。どうしても仰々しくとらえてしまうUXプロセスやその中の手法を、もっと身近で便利なツールのように積極的に日々の仕事の中で少しずつでいいので活用していただきたいという想いを、1人の現場の人間としてお話しました。
最後にネットイヤーグループの坂本さんからCJM(カスタマージャーニーマップ)の紹介と、CJMを作成してみるワークショップを実施して、本編は終了となりました。

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その後、登壇者3人でのパネルディスカッションを行い、本編のセッション後に回収いただいた登壇者への質問に答える時間を設けて、はじめての長野でのイベントは終了となりました。実は、登壇者への質問コーナーでは、記入用紙の「登壇者の誰に聞きたいか」という項目の、自分宛ての質問には答えてくださいね。との指示が運営メンバーからありました。ただ、個別に聞きたい質問の数は限られていたこと、また、せっかくの場なので、みなさんとの対話を楽しみたかったこともあり、僕の完全な思い付きで、「登壇者3人で全ての質問に答える」という無謀とも思える時間にさせてもらいました。

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僕が読み上げつつ、3人で答えるような流れで質問コーナーをやらせていただいたのですが、「UIとUXはどう違うのですか?」という教科書通りの質問から、「日々のルーティンはなんですか?」というなかなかに答えにくい質問、「普段いくらで受けてますか?」というぶっちゃけ話を誘うような質問など色々あって、この時間がすごく刺激的で楽しかったです(笑)

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名古屋は東京と比べて2年の情報格差(2年は遅れている)を感じていることを以前このブログで書いたことがあります。今回の長野では、そこからさらに2年の情報格差を感じました。
当然、インターネットでの情報は当たり前に身の回りにあり、本なども普通に手に取れる環境はあります。なので、スキルレベルが低いとか、学びのスピードが遅いとか、そういう情報格差はないはずです。久しぶりに他のコミュニティに参加してみて、同じようにインプットした情報を、実務の中で実践してみたり、同じ想いを持った方々が集まったコミュニティや勉強会などで、アウトプットする場が少ない(もしくはやりにくい)環境が地方にはあるのでは。。。という実感を持ちました。
名古屋も同様の問題を抱えていると思いますし、僕も実感していることではりますが、地方のUXコミュニティがもっと活発になって、バリバリ実務をやっている方々が身近に相談やアウトプットできる場が増えていったら、もっともっとおもしろいことが地方発でやっていけるのでは。と強く感じました。

ということで、今年もやります(笑)
僕が発起人になっている「UX Japan Forum」も今年で3回目。10月8日(土)に大阪で開催します。
7日(金)の夜には、毎年Forumと合わせて開催してる全国のUXコミュニティの運営メンバーが集まっての「UXコミュニティ運営ミーティング」も開催されるので、その場でも色々と全国のUXコミュニティ運営メンバーと議論してみたいと思います。


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http://uxjapan.org/

ちなみに、今回の長野のイベントでは、運営メンバーの方々の「おもてなしの心」(←あえてUXという言葉は使いません)にものすごく感激しました。
大きな窓のある部屋で少しでもプロジェクタを見やすくするために、ロールスクリーンの外側に大きな布(紙?)を貼って日光を遮っていたり、僕たち登壇者のテーブルにも手書きのメッセージが置いてあったり・・・セミナーの運営にも携わる身として、ものすごく学ぶことの多かったイベントでした。

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登壇者控室に置いてあったメッセージ

窓の日よけ(窓の濃い色になっている部分)

窓の日よけ(窓の濃い色になっている部分)

長野でイベントに参加いただいた皆さま、そして運営メンバーの皆さま、本当にありがとうございました。

こんにちは、平野です。

これまで何度か僕が持っている大学や専門学校の授業の中で『KA法』を取り入れたワークショップを試してきていました。
ビジネス的な観点や実際のプロジェクトでのさまざまな制約を知らない学生と新しい手法を試してみることで、その手法自体の特性や課題を僕自身の実感値として得るためです。

KA法は、ユーザー調査で得られたインタビューデータなどの定性情報から、ユーザーが求めている本質的な価値を導出するための分析方法です。ユーザーが日常行っている行為と、その背景にある価値の構造を視覚化することができるため、価値の全体像を把握しやすくなり、商品企画に関わる関係者の間でユーザーの価値や本質的なニーズを共有しやすくなります。

「実践!KA法おためしキット」 株式会社日本リサーチセンター

要件定義などでユーザーニーズを探るにあたって、これまでもプロジェクトの中でKJ法を取り入れて分析を行ったりしていましたが、抽象化され過ぎてしまう印象もあり、その抽象度合いによっては「よりどころ」として弱い物になってしまうこともありました。「KA法で解決できるかも!?」という感覚は持っていたものの、実戦投入するほどには自分でもKA法に慣れ親しんでいない状態でした。

昨年末に千葉工大の安藤先生が書かれた「実践!KA法おためしキット」なるものが(株)日本リサーチセンターから発行され、手に入れることができたので、その内容も参考にさせてもらいながら専門学校の授業の中で改めて取り入れてみて、課題も明確になってきたのと、それ以上に実際のプロジェクトで試してみたい欲求が高まりきってしまったので、とうとう実戦投入してみました!

まだプロジェクト進行中なので詳しい内容は書けませんが、KA法を実際のプロジェクトに取り入れてみた感覚だけお伝えしておこうと思います。
今回のプロジェクトは、とある企業さんのWebサービスを新たに作り上げることにありました。なーんとなく、「こんな感じのサービスになるんじゃない?}という構想はあったものの、誰も確信がない状態なので改めて要件定義を行うというタイミングで関わらせてもらいました。

ワークショップは全部で4回に分けて行いました。主に、拡散と収束へのヒントをワークショップで得ておいて、まとめは社内メンバーで実施という流れで行いました。
クライアント様のメンバーの中には、直接エンドユーザーと触れている方もいらっしゃったので、「ユーザーの発言などから特徴的な出来事を抜き出す」という工程は非常にスムーズに進めることができました。カードにたくさんの「出来事」が書き出されたのですが、ここで予想通りの問題が・・・「その出来事一つ一つに含まれるユーザーの価値を解釈する」という行程で引っかかりました。

どう書いていいか分からない。なにを「価値」として書けばいいんだろう。「価値を解釈する」という、これまでやったことのない物の見方で「出来事」を捉える必要があり、いくつか例をあげて一緒にやってみることで、なんとか解決(?)していきました。僕自身やってみて、この工程こそがKA法のキモでもあり、訓練しないとなかなかスムーズにいかないかもなーと思っていた部分でもありました。

大学の授業(文学部)で行ったワークショップでは、それなりにスムーズに進んだものの、表現にこだわり過ぎて突飛な(狙い過ぎた)書き方になってしまった「価値」などもあり、言葉の選び方も含め、その書き方、粒感、抽象度合い、などなど、この「価値の解釈」という分析工程の訓練方法をもう少し探究してみたいと思っていました。感覚的には、訓練だけでは補いきれない技術(技能)がありそうで・・・まだ見つけられずにいます。

ここを乗り越えてしまえば、あとは価値同士をグルーピングして価値マップを作成します。
サービスを検討するにあたって「見捨てた」価値もありますが、見捨てる行為も結構重要なポイントだと感じました。

価値マップ

価値マップ

その後、ユーザーの価値を軸に情報や機能、技術をマッピングしていくという工程になります。この価値マップ作成以降は「やりなれている」思考回路で実施できることもあって、スムーズにまとめられたかなぁという印象でした。
前の工程で「見捨てちゃおうかな」と思っていた価値から新しいサービスが想起されて復活したり、この工程でワチャワチャと意見を出し合えると、イノベイティブな議論ができる実感が得られました。

価値マップに機能・情報をマッピング

価値マップに機能・情報をマッピング

やってみた結果、当初から想像していた「こんな感じのサービスになるんじゃない?」という構想に近い物にまとまったとはいえ、「なぜそのサービス(機能)が必要なのか」「なんのための機能なのか」「ユーザーになにを提供するための情報なのか」などが明確になったことで、プロジェクトメンバー内での目標・目的の合意形成はしっかりと取れて、「自信をもって会社に説明できる」との感想をクライアント様からもいただきました。

クライアント様も、「価値を解釈する」という工程がおもしろかったらしく、リスティング広告で出していた文章を、「これでどんな価値を感じてもらえるんだろ?」と見直してみたり、「○○できる価値」を感じてもらえるバナーに作り替えてみた。など、日々の運用業務の中にもどんどん取り入れてみてるとのことで、結果が変わっていくのか数字的にも検証してみたいですね。

また他のプロジェクトでも試してみたいと思うので、その時はまた報告させていただきます。

こんにちは、平野です。

11月22日(日)、九州産業大学にてUX Japan Forumを開催しました。
総計126名の方に参加いただき、昨年の名古屋以上の盛り上がりを見せたフォーラムとなりました。
福岡での開催だったに関わらず、鹿児島、宮崎など九州内からだけではなく、北は北海道、南は沖縄、さらにはカリフォルニア州から参加してくださった方もいらっしゃいました。

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私は、『「UX」はじめの一歩』と題して、実際のプロジェクトの事例をお話しました。2008年までさかのぼって、プロジェクトでのUXプロセスの実施事例、その中での成功ポイント、失敗ポイントなどを途中成果物なども見ていただきながらお話させてもらいました。

最終的にまとめあげたカスタマージャーニーマップなどのドキュメントを目にすることはあっても、そこにたどり着くまでの過程を目にすることは僕自身も少ないので、自分なりのやり方をお話させていただくことで、参加者をはじめ、色々な方のお話を聞いてみたいという想いから、そんな内容にさせてもらいました。

事例ばかりだったので、スライドをそのまま公開はできないですが、今回お話をさせていただく上で過去のプロジェクトを見返してみて色々と感じたことも多かったので、その辺りはまた改めてこの場ででも出来る範囲で公開させていただこうと思っています。
今回のスライドのまとめの部分だけ、改めて書いておこうと思います。

・学んだ手法はとにかく取り入れてみる
ゲリラでもいいので、まずは「やってみる」ことが大事だと思っています。「気付きのきっかけ」を作るためにもやってみる。
やってみて、自分の武器になれば、あとはその武器をいつどう使うかがポイントになる。

・チームは横断的に。でも、最小限で
判断/決断できる人を巻き込み、横断的なチームを作ることが大事だと思っています。
そのチーム全員が手法を知らなくても、その場に巻き込むだけでもプロジェクトは変わると思います。

・客観的な指標(仮説の裏付けデータ)を残す
その場にいない人のためにも、ただ共有するだけでなく納得できる指標は必要だと思っています。
外部指標、ユーザーの声、アンケート調査など、色々なポイントで客観的な指標を残すと意思決定もスムーズだと思います。

80名を超える方が参加した懇親会の場で、色々な立場の方とお話させていただきました。
「ハードルが高く感じていて、なかなかUXの手法を取り入れることができてなかったけど、今動いているプロジェクトで試してみようと思います」と言っていただけたのが、すごくうれしかったです。また、取り入れてみた結果も教えていただけるとさらにうれしいです。

今でも「100点満点のプロジェクト」と言い切れる物はありません。
でも、やってみないと失敗すらできません。
今よりもっといいモノを作るために、もっといいプロジェクトにするために、これからもどんどん失敗して、どんどん共有していきたいと思います。

 

当日、会場の後ろで、静岡県の常葉大学の学生にリアルタイムドキュメンテーション(RTD)を実施してもらいました。

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UX Japan Forumの前日に、九州産業大学と滋賀県の成安造形大学の学生さんとRTDの勉強会をやったらしく、勉強会の場での発見を当日のRTDに取り入れていました。
前日の発見から、すぐその翌日に新しい手法でRTDにチャレンジしている姿に、学びのスピード感、実践へのスピード感、自分たちの武器にしていくその吸収力に、僕も学ぶことが多い場でした。

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こんにちは、平野です。

そうです、今年もやるんです。UX Japan Forum。
昨年、ここ名古屋で初めて開催したイベントで、2回目の今年は福岡での開催になります。

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UX Japan Forum 2015

個人的にも思い入れのあるイベントなので、改めて紹介させてもらおうと思います。

実はこのイベントの構想は4~5年前にさかのぼります。

当時、人間中心設計推進機構理事の浅野先生が、名古屋でHCDセミナーを開催されていました。
月に1度くらいの頻度で開催された全6回くらいのセミナーで2シーズンやっていただき、僕もちょこちょこ顔を出していたのですが、名古屋にいながらHCDの基礎をみっちりと学べる場があることはすごく幸せなことだと感じていました。

名古屋を拠点に活動をしていると、業界セミナー(特に専門分野に特化したセミナー)をはじめ、同業者と情報交換できる場というのが非常に限られていました。
東京では、日々さまざまなセミナーやら会合などが開催されており、専門分野に突っ込んで情報交換できる場というのがたくさんあります。
比較的自由に東京でも活動していた私は、東京と名古屋に「2年の情報格差」はあるという実感を持っていました。

この情報社会、インターネット社会において、2年の情報格差を感じた時の恐怖と言ったら…

USTREAMで清水誠さんと「IAチャンネル」という番組を配信していたのも、こんな思いからだったのですが、実際に各地でセミナーを実施されていた浅野先生から、全国のあちこちに熱い想いを持った方々がいることを聞いて、「いつか全国大会とかできたら楽しいですねー」なんて世間話をしていたのが発端だったりします。

それから数年。
全国各地にUXコミュニティが発足してきて、それぞれに勉強会など開催しているという状況もあり、先生の「ぼちぼち全国大会やりたいね」の一言から、即座に名古屋での第1回の全国大会開催を決めました。

そんなこんなで開催されたUX Japan Forumですが、実はForumの前日からスタートしています。
北は北海道、南は福岡と、10以上のUXコミュニティ運営者が集まっての「全国UXコミュニティミーティング」をForum前日に開催しました。
各地のコミュニティ運営の悩みや、実務面でも地方ならではの悩みを、ざっくばらんに話し合える場となり、本当に楽しく有意義なディスカッションができました。

今年も全国各地のUXコミュニティ運営者がForum前日から集まってミーティングを行いますが、今からとても楽しみです。
僕自身はSakae UXの活動をしばらくやっていないので、今後のUX Japanの活動を本格化させる計画なんかを提案しようと考えています。
全国各地のUXコミュニティの潤滑油として、運営メンバーが自由に相談できる場として、UX Japanという枠組みを活性化させていきたいと思います。

Forumでも登壇させていただくので、福岡の方々とディスカッションできるのを楽しみにしています!

UX Japan Forum Facebookページ

【参考:浅野先生のブログ】
全国UXコミュニティミーティング 2014
UX Japan Forum 2014

こんにちは、平野です。

ここ数年、ユーザー調査の中でユーザーインタビューを実施できる機会に恵まれています。
「ユーザーのことをよく知りたければ、ユーザーから探り出そう」と、クライアント様に協力いただきながらインタビューを実施しています。

ユーザーが解決したいことはなにか、どんな想いでサイト(サービス)に接しているのか、ユーザーはなにを期待しているのか、なにを期待していないのか。
クライアント様とユーザーのより良い関係を構築するために、ユーザーの心理を探っていきます。
僕たちも発見が多々あるのですが、必ずと言っていいほどクライアント様が新たな発見に驚くことが多いです。

ただ、たまにユーザーインタビューに対して過剰な期待をされることもあるので、少しだけポイントを整理してみました。
たまに自分でもこういった基本的なことを忘れてしまい、インタビューに来ていただいたユーザーに対していらぬ期待をしてしまうこともあるので、まとめてみました。

1. 「造り手が欲しい答え」の確認の場ではない
2. 質疑応答の場にしない
3. インタビューの結果だけでは課題は見えない
4. 質問をこなすことを意識し過ぎない


1. 「造り手が欲しい答え」の確認の場ではない
インタビューの場で、目の前に誰よりも「発言権」のあるユーザーさんが座っていると、どうしても「答え」を求めてしまうことがある。
「どんな機能があったら便利ですか?」とか、「これこれこういう機能があったらステキって思いますか?」とか・・・

ユーザーさんはあくまでもユーザーさんで、Webのプロでもなければ、その企業のビジネスを担ったりしていないので、作り手の求める「答え」を要求するのは酷ってものです。
インタビューで探り出せるのはユーザーの想いで、機能要件は探り出せないです。


2. 質疑応答の場にしない
準備しておいたインタビューシートを上から順番に埋めていくような、質疑応答のような場になってしまうことがある。
「えーっと、次の質問は・・・」とか、「あ、そのお話は次の次で質問しますから・・・」とか・・・

インタビューに慣れているユーザーさんはいないですし、インタビューの手綱はインタビュワーが握っているので、質問の順番や時間などのコントロールを求めるのは酷ってものです。
聞きたいポイントをインタビューシートでまとめておくのは重要ですが、会話の中から埋めていけるとスムーズです。
僕は、その場を温めるための単純に回答できる質疑応答っぽい質問と、聞きたいポイント(観点)をまとめておいて、会話の中で埋めていく質問を分けて用意しています。
インタビューシートの前半には質疑応答っぽい物を、後半は聞きたいポイントを・・・という感じにしています。


3. インタビューの結果だけでは課題は見えない
インタビューで出てきた会話、その中で出てきたポイントを並べることで、課題を整理した気持ちになってしまうことがある。
「最近はあまりサイトを見ないですね」とか、「そういう情報は見ないですね」とか・・・

ユーザーさんはあくまで受け身であり、そのユーザーさんに、事象とニーズ、また各回答のツブ感を整えて答えてもらおうなんて酷ってものです。
インタビューでの「回答の裏側」にある心理状態、その事象の前後の行動、シチュエーションにこそ、インタビューで得られる最大の宝物(ニーズ)がたくさん隠れています。
その隠れたニーズ、シチュエーションをいかに引っ張り出すか。何人ものインタビューで得られた回答の分析から、真のニーズに気付けるか。
インタビューの回答を並べるだけで満足してしまわないように注意しています。


4. 質問をこなすことを意識し過ぎない
インタビューシートをしっかりと用意しておくことは重要だが、それをこなすことに一生懸命になってしまうことがある。
「次の質問に移りますね」とか、「あと5つ聞きますね」とか・・・

ただでさえ緊張しているユーザーに、次から次へと質問をされることを意識させてしまうなんて酷ってものです。
その場で繰り広げられる質問に答え続ける緊張感の中では、単調な回答しか得られないインタビューになってしまいます。
少しくらい話がそれるのは大いに結構。その雑談(?)の中にこそたくさんのヒントが隠れています。

いいインタビューができた時(たくさんのヒントが得られた時)には、参加いただいたユーザーさんに「こんな楽しく雑談しただけだったけどよかった?」と言われることが多いです。

 


今回は、あくまでも「過剰な期待」に対してのポイントなので、また他にも色んな観点でユーザーインタビューについて触れていきたいと思います。
これからもユーザーインタビューの場で、ユーザーさんとの雑談を大いに楽しんでいきたいと思います。